なぜ抜ける?抜けにくい犬のハーネスの形と構造を徹底解説
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執筆:WAN-PAKU(株) 代表 鈴木 |(ペットライフスタイルブランド「nerune」運営) “家族”のための品質と可愛さを追求し、自社製品である日本製の寝具やNFC機能付きオリジナル迷子札、日本初上陸の韓国ブランドなど暮らしを彩る厳選アイテムを提案しています。
抜けやすい原因は「形状」にあり!
犬が抜けにくいハーネスの形と構造を徹底解説
犬用ハーネスを選ぶ際、多くの飼い主さんは「デザインのかわいさ」や「愛犬に似合う色」を基準に選ばれることが多いのではないでしょうか。
しかし、ハーネス選びにおいて何よりも優先すべきは、万が一の事態から愛犬の命を守る「抜けにくい構造」であるかどうかです。
ハーネスの形状次第では、自転車の接近や大きな車の音、雷や強風などの天候による要因により、驚いた拍子に体を動かした結果、後ずさりしてハーネスが抜けてしまい、走り去って道路に飛び出すなど、最悪の場合、命に関わる危険につながることもあります。
犬用ハーネスには、H型、V型、ベスト型、メガネ型など、いくつか代表的な形があります。
本コラムでは、そんな代表的なハーネスの形状を比較しながら、愛犬の安全を守るための「抜けにくい形」の選び方について、専門的な視点から詳しく解説します。
目次
- 犬用ハーネスの「形状」が重要な理由:サイズだけで選ぶリスク
- 【形状別】犬用ハーネスの種類とそれぞれの特徴
- 物理的に検証!「後ずさり」に強い抜けにくい構造とは?
- 愛犬の性格や体型に合わせた「抜けにくい」ハーネスの選び方
- まとめ:構造を理解して、安全で楽しいお散歩ライフを
1. 犬用ハーネスの「形状」が重要な理由:サイズだけで選ぶリスク
サイズ表だけでは測れない「フィット感」
多くの犬用ハーネスには体重や胴回りを基準としたサイズ表がありますが、「サイズが合っている=抜けにくい」とは限りません。
正しいサイズを選んでいても、ハーネスの形によってフィット感や抜けやすさは大きく変わります。
形状によって、例えば次のような点が異なります。
-
頭や前足を通す入口の広さと角度
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リードを繋ぐパーツ(Dカン)が付いている位置
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ベルトが体のどのラインを通り、どこでストッパーになるか
脱走事故が起きる「魔の瞬間」
ハーネスが抜けてしまう場面の多くは、犬が苦手なものから逃げようとして後ずさりやハーネスの拘束から逃れようと脱ぐような動きをした瞬間に起きます。
後ろに踏ん張って頭を下げると、犬の頭・肩・胴の位置関係が一直線になり、ハーネス全体が頭側へ滑り落ちやすくなるのです。
だからこそ、数字上のサイズだけでなく「どういう形で体を支える設計なのか」を重視する必要があります。
ハーネスが抜けるときに起きている犬の動き

ハーネスが抜けてしまう場面をイメージしてみると、 次のような動きがよく見られます。
- 苦手なものから離れようとして、後ろに下がる
- 進みたくない方向に向かったとき、後ずさりして踏ん張る
-
嫌になって体をねじったり、前足を踏ん張ったりする
2. 【形状別】犬用ハーネスの種類とそれぞれの特徴
現在、市場で代表的な4つの形状について、それぞれの構造的特徴を整理します。
H型ハーネスの特徴

上から見た時にアルファベットの「H」の形になるベルトタイプです。
首周りと胴回りを囲む2つの輪が、背中とお腹のストラップで連結されています。
特徴: 首側と胴側が独立しており、体格に合わせて細かく調整しやすいのがメリットです。
構造がシンプルで、どの部分を締めているのかわかりやすく、体格に合わせて調整しやすいのが特徴です。
多くの場合、リードをつなぐパーツは背中側や胴側に配置され、犬の動きに合わせて 力を分散させ、ハーネス全体で体を受け止められるよう工夫されています。
V型ハーネスの特徴

横から見た時に逆V字のシルエットになるタイプです。胸の下から背中の一点に向かってベルトが伸びる、シンプルな構造が特徴です。
特徴: 体を包む面積が少なく軽量ですが、力が背中の1点に集中しやすい側面があります。
体を包む面が少なく、全体的に軽くスッキリしたつけ心地になりやすいため、着脱の簡単さを求めているときや見た目をシンプルにまとめたいときに選ばれやすい形状です。
ベスト型ハーネスの特徴
布やクッション素材で胸から胴を包み込む、洋服のような形状です。
特徴: 体への当たりがソフトでデザインも豊富ですが、素材の伸縮性やマジックテープの強度によって安定感が左右されます。
特に小型犬で人気がありますが、柔らかい素材で当たりがソフトになりやすい一方、「しっかりとサイズが合っていて体にフィットしているか」によって、抜けやすさが変わる形でもあります。
メガネ型ハーネスの特徴

前足を通す2つの丸い穴が並んだ形状で、上から見るとメガネのように見えます。
特徴: 着脱が非常に簡単でデザイン性が高いですが、足の抜きやすさや肩の固定位置に注意が必要です。
見た目がすっきりしていてデザイン性が高く、着脱が簡単な点がメリットですが、主に革製のものがよく見られており、ハーネスの素材が体に擦れないか、前足に食い込み過ぎない形を選ぶなどが、メガネ型ハーネスを安全に使うポイントです。
3. 物理的に検証!「後ずさり」に強い抜けにくい構造とは?

なぜ、特定の形状が「抜けにくい」と評価されるのでしょうか。
その鍵は、犬が後ずさりした際にかかる力の分散にあります。
一般的に、リードを繋ぐ位置が「首に近い場所」にあるほど、後ずさりをした時にハーネス全体が頭の方へ引っ張り上げられてしまいます。
首輪がかなりわかりやすい例です。
一方、リードを繋ぐ位置が「胴(肋骨)側」にあるタイプは、首側の輪が後ずさりやハーネスを脱ごうとする動きをしても大きな動きをすることがなく、さらに引きの力を胴体や脇で受け止めることができます。
特にH型ハーネスのように、首と胴の2箇所を連結している構造は、胴回りのベルトが「アンカー(錨)」の役割を果たします。
犬が後ろに下がっても、太い肋骨部分でベルトが止まるため、首側のパーツが連動して抜けてしまうのを物理的に防ぐことができるのです。
4. 愛犬の性格や体型に合わせた「抜けにくい」ハーネスの選び方
どの形状がベストかは、愛犬の性格や身体的特徴によっても変わります。
犬の性格や動きのクセから考える
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怖がりな性格: 苦手なものに対して強く後退りする傾向があるため、胴側でしっかり支えるH型など、抜けにくいことを最優先した形状が推奨されます。
- 活発な性格: 急な方向転換や、体をねじる動きが多い場合も、全体を面や多点でホールドできる安定感のある形が安心です。
体型や年齢に合わせて選ぶ
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小型犬・華奢な犬: ハーネス自体の重さが負担になりやすいため、軽くて体に沿いやすい素材を選びつつ、調整幅の広いものを選びましょう。
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胸板が厚い犬: 前側に力がかかりやすいため、背中から胴にかけて力を逃がす構造になっているかを確認してください。
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シニア犬: 足を高く上げなくても着脱できる(首を通すだけ、あるいは横からバックルを留めるだけ)など、無理な姿勢をとらせない形が理想的です。
このように、「犬種ごとにこの形が正解」というよりも、 体型・年齢・動きのクセを合わせてイメージしながら、
「どこに当たりやすいか」
「どの方向にずれやすそうか」
「力をどこで受け止める構造になったのか」
見ていくことで、愛犬にとって無理が少なく、抜けにくいハーネスの形を選びやすくなります。
5. まとめ:構造を理解して、安全で楽しいお散歩ライフを

犬用ハーネスは、H型・V型・ベスト型・メガネ型など、形状によって体の支え方の動きやへのなじみ方が大きく異なります。
抜けにくさ・安全性を考えるうえで大切なのは、サイズだけでなく、「形と構造」の違いを知ることです。
デザインだけで判断せず、
という視点を持つことで、抜けにくく、安全に使えるハーネスが選びやすくなります。
愛犬の体型や性格、散歩のシーンを思い浮かべながら、形ごとの特徴を理解して選ぶことが、ハーネス選びの失敗を減らす道です。
日々の散歩を安心して楽しめるよう、抜けにくいハーネスの「形」と「構造」にも、ぜひ目を向けてみてください。